漫画『君たちはどう生きるか』を読んでみた

かなり今更感満載のレビュー。

この本を見たことがあるでしょうか。

昨今、テレビなどで大変話題になっていた(る?)本。
少し読んでみたいな、と思っていたところ偶然にも貸してくださった方がいらして、今回は感想などを書いてみようかと思います。

借りたのはお正月(待)

心惹かれる理由

それは単に、この本のタイトルが多くの人の琴線に触れるから、なのではないでしょうか。

ヒトはなぜ生きているのでしょう。
何のために生きているのでしょう。
そもそも「わたしは何のために生まれた」のでしょう?

そんな、誰もが一度は抱くであろう疑問の「ひとつの答え」を示してくれる内容となっております。

本の趣旨自体、著者は多くの子どもに読んで欲しいと思っているようですが、現代においては大人も読んでおいて損はありません。

世界の歯車の中で

厳密に言えばひとりひとりは異なる人生があるものの、パターンは割と似通っている感じがします(やや主観)。

その中で何らかの方法で生計を立て、可能な範囲で納めるべきものを納めることによって社会の一端を担い、次の世代に何かしらの方法でバトンタッチしていきます。

自分の人生について何を思うか、どのように時間を過ごしていくかで、人の価値は大きく変わる。

わたし(著者)は、これを読んだ子どもたちにコペル君のような思いを抱き、おそらく世界基準で価値のある人間に育って欲しい。

作者の思いがそのようにつづられていると感じ取りました。

価値のある人間とは?

おそらくこの本では、相対的な価値ではなく絶対的な価値について考察されています。

競争意識の高まっている現代にあって他人と比べてどうか、ではなく。

自分自身と向き合ってみて、振り返ってみたその歩みは果たして誇れるものなのか?

ということです。

価値のない人間などいません。命はどれも貴重なものです。
それを踏まえた上で、この本に書かれている「価値ある人間」とはいったいどういうことなのかと言うと。

良心において『正しいセンサー』を持っており、『社会のために役に立ちたいと願う人』でしょうか。

実は良心は、人間に生まれたときから備わっている素晴らしい機能で、何が正しく何がそうでないかを教えてくれる、とっても大切な道しるべなのです。

良心というセンサーをブラッシュアップして育てるためには、時として苦しまなければなりません。
なぜだか分かりますか?

人は、間違いを犯すからです。

良心の機能について

間違ったことをしたとき、良心は本人を苦しめます。
その苦しみは、良心の正しい反応であると、この本には書かれています。

そこで考えるのを止めてしまったら(いわゆる思考停止の状態)、良心は正しく成長できません。

深く考える力は重要

正しいことには正しい、間違ったことは間違っているとはっきりいえる人間になるためには、正しい仕方でよくよく考え抜いて答えを出し、導き出した結論・判断・行動を自分の良心と照らし合わせます。

安らぎという報酬、苦しみという罰

正しい判断ができれば、良心は安らぎを与えてくれ、そうでなければ苦しみという罰が待っています。

良心の正常な反応を受け入れ、時として自らを振り返り、自身と共に成長させてゆく必要があるということなのです。

この本はそのためのヒントとなってくれることでしょう。

『深く考えない』は正しい?

私自身、考えすぎる傾向があるので「深く考えるな」と事あるごとに言われたわけですが、この本を読んだことで正しい方向に思いを深く巡らすことは悪いことではないと思えるようになりました。

けれどいつまでも過ぎたことをクヨクヨすることは身体にも良くありません。きちっと反省すべきことを反省し、謝らなければならない場合はそうします。そうしてはじめて、先に進むことができるのです。

都合の悪いことから目を逸らしてやみくもに進んだとしても、人は正しい方向に成長できませんし、その人にとって真の安らぎは得られません。相手と正しく和解することもできません。

苦しみという良心の正しい反応を無視し続けると、良心が次第に麻痺してしまうのです。
良心が正しく機能しなくなった人のたどり着く先は、物理的にどれほど豊かであってもむなしいものでしょう。

物語の中で主人公であるコペル君が犯した『あやまち』についてどう感じたか。

それは自分自身の良心のバロメーターというものを計測できるひとつの事案となっています。

見えない圧力

(正しいことについて)何も考えるなと訴えかけてくる、自分が所属しているさまざまなグループの圧力に対してそれぞれがそれぞれのまっとうな良心をもって断固、勇気を抱いて抵抗しなさいと言っています。

全体を支配する『目に見えない圧力』に屈しないようにすることが大切です。
今いる場所で自分が苦しいと感じているときは、良心というセンサーが警報を出しているのかも知れません。

闘わなくてはならない、それがたとえ今の自分にとって都合が悪かったり、どれほど辛いことでも、精神の闘いを経て乗り越えていくことで成長することができるということなのです。

子どもに勧められている理由

おそらく、大人になってからでは良心を正しい方向に育てることが難しいからではないかと思います。
子どものうちから正しい良心を育てられるよう、周囲の大人が上手に導いてあげたいものですね。忙しいからと、子どもと過ごす時間を割いてしまうことだけは避けたほうが良いのかも知れません。

どう生きるか?の結論

文字数がかなりアレな具合になってきましたが、書きっぱなしもどうかと思いましたので、私なりの結論を簡単に書いてみたいと思います。

人生において成功する秘訣とは?

  • 社会と何かしらの関わりを持つ・貢献する(努力する)
  • 正しい良心を育てつづける

こんな感じ でしょうか。

何か偉業を成し遂げて名声を得るとか、大きな変化をさせるですとかそういう必要はありません。一生懸命に生きて、自分のやれることを良心に従って行なっていけば良いのでは、と思います。

世界は個人の集合体であって、一人ひとりによってつくられているからです。

人間は間違えもしますし、今の世の中においては悪も間違いなくはびこっているので()正しい良心を保つために苦しむことも覚悟しなくてはならないということです。

おわりに

ざっくり書いてしまいましたが、書籍自体は2時間ほどで読み終えることができましたので、まだ読んでいない方はいちどお手に取ってみてはいかがでしょうか~?

全体的に読みやすい造りになっており、親しんでもらえるようにと工夫されています。
そのような特徴から、多くの人に読んで欲しいという著者の願いや思いを感じ取れます。

たいへん話題になった本ですから、図書館にもたくさん並んでいると思いますよ!

こちらは漫画ではないバージョンでしょうか。
読んでおりませんので、ちょっと分かりかねますが。