芥川賞授賞作品『影裏』を読んでみた

こんばんは、トヲル(@yorealog)です。

台風21号がいなくなったと思ったら台風22号。今年は台風に苦しめられております。
選挙が終わってタダでさえ憂鬱なのにΣ( ノω’)

「影裏」を読んだので感想を書きます

さて、タイトルの件なのですが。
母に頼まれまして、楽天ブックスで注文しました。

影裏 芥川賞

芥川賞作品「影裏」(えいり)

第157回芥川賞は沼田真佑『影裏』に決定!受賞理由まとめ

テレビで紹介されていたらしく、母の故郷でもある岩手県(主に盛岡市)の情景が描写されている(描写にポジティブな評価?)とか何とか……それで読んでみたいと思ったのだそうです。

影裏とは、日の当たらないところのこと。主題からしても分かるように、現代社会の日常において日の当たらない部分にスポットを当てている作品です。

東日本大震災を扱った初の芥川賞作品「影裏」 扱った理由を作者が明かす[ゴロウ・デラックス] | テレビ・ラジオで取り上げられた本 | Book Bang -ブックバン-

母よりも私が先に読み終えたので、率直な感想を差し障りのない範囲でつづってみたいと思います。先に結論を書いてしまいます。

本をたくさん読んでいる人のための作品?

結論から言うと「買ってよかった」という感じの本ではありませんでした。
まずは図書館で借りて自分の感覚に合うものかどうか、確かめたほうが良いかも知れません。

私個人の感想としては、読み手への配慮が物足りない印象です。

書評を少し探してみました。
著者自身が伝えるというよりは読み取って感じる作品なのかな?と思います。

影裏 / 沼田 真佑(文藝春秋)カテゴライズする世間の言葉を一切さしはさまない語りに感服|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」

読み手を選ぶとも言えるかも知れません。
私は読むべきでなかったかも知れない、この作品()

第一印象は「読みにくい!」

「漢字が難しくて読めない」

届いた本を手に取った母の第一声でした。
せっかくお金を出して買ったのに何事であるか、とワタクシも手に取ってみました。

いきなり、見慣れない漢字が飛び込んできます。

水楢

‘ω’?なんと読むのでしょう。

 

正解は「みずなら」だそうです、ううむ。

 

続けてパラパラ……

 

これは…………。

難読漢字が散りばめられすぎてちょっと引きました。
加えて、わざと難しい言葉を使って分かりにくくなっています。

例えば、円網(えんもう)。

なんのことでしょうか?

クモの巣のことです。そう書けば伝わるのに、わざわざ「円網」と書いています。

続いて、往還(おうかん)。

何のことはありません、通り道のことです。
難しい言葉を使わないほうが読み手サイドは情景を描きやすいのに……。

普通に文章を書く際、こういう難しい言葉を使う必要はないはず。丁寧であると思える部分もありますが、難しい言葉を使わなくても、言葉を突き詰めて描けば情景は伝わるはずです。

何が言いたいかというと、難しいキーワードを選ぶのではなく文章でシンプルに、巧みに工夫して欲しいのです。

「読む気なくなった」と母。

えええ……(‘A`)

ちなみにですが母は、これまでたくさんの本を読んできています。ですからこういう風になってしまうのは初めてです。作品に対する期待値が高すぎたというのも一因としてあるのかも知れません。

せっかくお金を出して買った(2回目)ので、ルビをふることにしました。こんな風に

影裏 芥川賞

字が汚い()

ふせんにしたのは、売るときのことを考えてw

影裏 芥川賞

次から次へと難読漢字が。なかなか終わりません。
この作業を進めているうちに、読み終えてしまいました。

母もこれで少しは読む気になることを祈ります。

釣りが好きな人は楽しく読める

中盤ではひたすら川魚を釣っているので釣りが好きな方は無条件で楽しめそうです。
食べ専ですので鯏(うぐい)だウグイだと言われてもイメージしづらい。

心理描写が薄い

テーマは現代社会に一石を投じており飛び抜けている印象ですが、事実や状況だけをひたすら並べていくので、ちょっと入り込みにくい感じもやや受けます。なんというか全体的に物足りません、ハードルが高いという意見も見かけますね。

淡い恋心のようなものが散見しますから、そういう微妙に揺れる心理描写をもっとしっかりやっていけばもう少し読みごたえが出てきたのかも知れません。終盤も中途半端な締めくくりで不完全燃焼気味。ミステリーを描きたいのか、恋愛を描きたいのか、はたまた両方なのか。あれ、これで終わり?のような。そういう意味では気軽に読めます、すぐ読み終わるので。

楽しく読めるかは読み手に依存している

さらに一言いうと、読み手に甘えている作品です。
書きたいものを書きたいように書いた、という。けれど本ってそういうものなのかも知れない。

ただ、なんというか「読んでみたい」と気軽に思って、そして気軽に読めたらとも思うわけです。それは素人ではなく専門である方が配慮することでもあります。

母曰く「独りよがりである」。 同意見

難読漢字に難しい言葉と、本をそれほど読み込んでいないワタクシにはハードルの高い印象でしたが、作品自体が興味深い内容であることは確かで、先ほども述べたように気軽に読めます

読んでみたいという方はリンクを貼っておきますのでどうぞ こちら