腎臓病の愛犬にカリナールと、貧血対策のペットチニック
リビングの扉を勝手に開けて出てゆき、その隙間からリビングをチラっと覗き込むのが大好きな当家の愛犬。
恒例のピンぼけですが、ご愛嬌ということで……。
の続きです。
スポンサーリンク
腎臓病の愛犬に与えたサプリメントなど
こんにちは、ヨリアログ(@yorealog)です。
今回は腎臓病に欠かせないお薬やサプリメントの紹介と、その使用方法といいますか……。
私が愛犬に与える際、色々と試行錯誤していた内容などについて書きたいと思います。
長文になってしまいましたが、愛犬の腎臓病で悩まれている飼い主さんの参考になれば幸い。
腎臓について軽くおさらい
まずは、基本的な知識として主立った腎臓の機能を簡単にまとめます。
- 流体、電解質と酸塩基平衡を調節
- 代謝老廃物をフィルタリング、尿と共に体外へと排泄
- 血圧を調節(ホルモン生成)
- 赤血球を作る
- カルシウムを造る
- リンを代謝させる
ううむ。
私の中で十分に理解出来ていない部分もありますが…
愛犬が腎臓病を患っている疑いがある場合、まず念頭に置いておきたい腎臓の機能はといいますと。
毎日の食事の中で栄養と共に摂取されてしまう老廃物が全身に、毒素として蓄積してしまわないように血液中から取り除いて(ろ過)排出するという機能を持っている
と言った部分でしょうか。
先述のとおり、腎臓には沢山のお仕事がある事実に加え、そもそも脆弱な器官であるがゆえに、加齢と共に弱りやすいという性質があります。
つまり、愛犬(猫にも当てはまりますが)が高齢になってくるにつれ、腎機能の衰えというものはどうしても避けられなくなるそうなのです。
血液検査の各項目について
血液検査項目「BUN」とは
BUNといいますのはこのブログでも何度か扱っているように「血液尿素窒素の値」です。
またもやざっくり書いてしまいますと、この項目は血液の中にどれだけ毒素が溜まっているのかを数値で判定するものです。
基準値は9~29の範囲。
- 上昇している=ろ過機能が衰えている=体内に毒素が蓄積してしまう
- 低すぎる=肝障害やタンパク欠乏の疑いが考えられる
他にもいくつかの項目を並行して調べ、腎臓病かどうかの診断がなされます。
リンについて
リンは、本来身体を作るために必要と言われていますが、腎臓の機能が低下してくると余分なリンが排出しにくくなり、その余剰分が腎臓病を悪化させると言われています。そのため、腎機能の低下が見られる子には、リンを制限する必要が出て来る、ということのようです。
「カリナール」
腎臓病という明確な診断ではない頃とは言え、BUNの数値が上昇してきてしまった我が家の愛犬に対し、獣医さんからまず処方されたものが「カリナール(2)」でした。
カリナールは2種類
カリナールには2種類ございまして、犬猫(?)の腎臓病に用いるという部分は共通事項ながらもそれぞれ役割が異なります。
ネフガードといったものもあるようなのですが、当家ではカリナールを処方されましたため、そちらをご紹介。
先に書いてしまうと、慢性腎臓病の治療(と言うのかどうか)は長期にわたります。
今回紹介するものをお求めになる場合には基本Amazonの定期購入がおすすめ。
ペットチニックも値段に幅があり、いずれも楽天で不定期にセールを開催している店舗もあります。
こまめにチェックしましょう。
リンを吸着する「カリナール1」
カリナール1は、消化管内にてリンを吸着し、体外へ排出させるというお薬(吸着剤)です。
ただ、余剰分のリンのみが吸着されるのか、消化管内にあるリンをすべて吸着する仕組みなのかは、パッケージを見た限りでは分かりません。
当家では、おそらくですが慢性腎臓病の中期~後期頃に投与が始まりました。
用法は箱に書いてありますので使用時に参考にすると良いです。
体内の毒素を低減するカリナール2
カリナール2は、先ほども説明した「BUN」の値に作用するお薬、体内の毒素を低減させるとのことで、吸着剤ではありません。
加えて、乳酸菌が含まれているようですので、腸内環境を整えるという作用も期待できそうです。
BUNの値が悪化し始めてからは、とにかく腎臓病を悪化させない、できるだけ進行を遅らせることが重要なため、BUN値の上昇が見られた初期段階で早々に投与が始まりました。
こちらと「ロイヤルカナン 腎臓サポート ドライ」との併用でBUN値の改善が見られました。
用法は箱に記載されています。獣医さんも処方時に説明してくださると思います。
カリナール コンボという便利そうな商品を見つけたので紹介しておきます。
デザインからして、カリナール1とカリナール2が合体した商品なのではないでしょうか。
40g=中大型犬だと、すぐなくなっちゃいそうですけど()
貧血対策として「ペットチニック」
貧血対策として摂取するよう、獣医さんから奨められたサプリメントです。
黒蜜風味で与えやすいとの説明を受けました。
箱を開封しますと、1mlまでのメモリがついたスポイトが付属しています。
瓶は開け方がちょっと特殊で、下方向に押し込みながら回すタイプのものです。海外の瓶製品などで時折見掛けます。
はじめはそのまま舐めさせていました。
ところがしばらくするとそっぽを向くようになりまして、やはり与えていくには試行錯誤をすることとなりました。
恐らく動物病院でも購入できるとは思います。
……が、通販などでまとめて購入された方が出費は抑えられるかも知れません。
どうして鉄分のサプリメントを併用するのか
これはざっくりと獣医師さんに説明されたことをそのまま伝えますと、「腎臓病になると貧血を併発しやすい」というお話。
どういったメカニズムで貧血が起こるのかという説明は受けておりません。
ですが腎臓の機能について自分なりに調べてみたところ、その機能のひとつに「赤血球を作る」というものがありまして、腎機能が低下するのであればその「赤血球を作る」はたらきも衰えることでしょう。
そのように筋道立てて考えていくならば合点がいきます。
貧血の進行を食い止める理由
貧血が進むと、腎機能の低下によりただでさえ衰えている食欲の減退が更に酷くなる可能性があるようです。
これにより、腎機能の低下→貧血→食欲減退→腎機能の低下…というように負のスパイラルから抜け出せなくなってしまうのです。
貧血対策も並行して実施しなくてはならないわけですね。
ちなみに簡単な貧血の確認方法ですが、ワンちゃんやネコちゃんの口をびろーんと引っ張って内側の色を確認→白っぽいと貧血です。
こういった背景から、当家においても鉄分を摂取できる「ペットチニック」の併用が奨められたのではないかと思います。
更に貧血が進むと、ホルモン注射を奨められます。
それについては機会があればまた書きたいと思います。
カリナール、ペットチニックの与え方
1.ドライフードにふりかけ、混ぜて与えました
カリナールは夕食時に1回、はじめは付属のスプーンで2杯程度与えていました(腎臓病の進行により増えていきました)。
このお薬は水分があると粘着性が出てきてお皿に少しくっついたりしてしまいますから、もったいないと感じる場合には別の方法を考えたほうが良いかも知れません。
比較的食欲がある段階で、この方法で摂取してくれるのであれば楽です。
2.ウェットフードに混ぜて与えました
ドライフード(療法食)を食べなくなったため、ウェットタイプのものと混ぜたごはんをあげるようになりました。
レンジで加熱した後にふりかけ、よく混ぜて与えました。
ごはんに混ぜて与えるという方法は、完食してくれるほど食欲があるうちは良いのですけれど、残すようになりますと必要とされる分量を十分に与えられていないことになりますので、注意が必要です。
3.ヨーグルトに混ぜて与えました
おそらく、ヨーグルトを積極的に食べられる子であれば最もおすすめの方法です。
そもそもカリナールが液体にうまく馴染まない(水分をはじく)という性質=ヨーグルトに混ぜる(カリナールは脂溶性なのでしょうか?)という訳ですが、ごはんとは別に与えることで、必要な分量をしっかり摂取させることができます。
昨今色々なヨーグルトが販売されていますが、どれを選ぶのかはほぼお好みで大丈夫だと思われます。
当家では食欲減退が見られることもあり、無糖で脂肪分のカット等のない普通のものを選択。
人工甘味料が含まれているものはオススメしません。
写真ではカリナールも同時に混ぜて与えています。
ペットチニックとカリナールを混ぜようとしてもうまく混ざらないのですが、ヨーグルトを使うとこのように徐々に混ざっていきます。
混ぜたものを食べている様子です。
これでしばらくの間は安心して摂取させることが出来ました。
このように、与えたあとの容器もほぼきれいでした。
4.スプーンで食べさせました
時間の経過とともに、3で紹介したものを見せても顔を背けるようになってしまいました。
そこで、スプーンですくって直接口元に運んで与える…という方法を試したところ、どうにか食べてくれました。
やや強引に口を開けさせることも必要になりますので、状況により軍手などで手を保護してください。
この時、食べた際にめいっぱい褒めてあげると愛犬も喜び効果を実感できました。
100円ショップでは、ミニサイズのマドラーなどが売られており、サプリメントや薬を混ぜるのに大変便利です。
本音を言うと、やや大きめの中型犬を抱きかかえ与える……
というのは重いし大きいし時間がかかるしでとても面倒ではありますが、与えないといけないのでややこしく考える暇もなかったような気がします。
とにかく必死でした。
5.シリンジで与えました
スプーンですくい、口元に持っていっても一切食べなくなってしまったのでシリンジを使うことにしました。
がシリンジです。上から10ml、5ml(うろ覚え)、2.5mlとなっております。
目盛も印刷されているのですが使っているうちに消えてしまいます。
当家では用途により使い分けていましたが、5mlのものを頻繁に用いました。
これらも動物病院で買えるのではないかと思います。
このように注射器の要領で少しずつ吸い取り、先端を直接歯の隙間に差し込んで注ぎ、食べさせます。
隙間から与えないとこぼします(´ω`;)
無理矢理に与えている感が強くあまり気が進まなかったものの、色々と試行錯誤し行き着いたという感じがいたします。
ドライフードに混ぜて与えていた頃は1日1回、その後は数値の悪化に伴い午前と午後に1回ずつ与えるようになりました。
分量も、最終的にはカリナール1がスプーン2杯、カリナール2がスプーン4杯、ペットチニックが2ml(1回の給与量ということでこれを1日2回)と増えていきました。
うちの子は大きかったので、その分必要量が増えています。
おわりに
腎臓が悲鳴をあげはじめたら、7割以上の機能が失われているのかも知れない
症状が現れている=かなりの部分が機能停止してしまっている可能性も否めない
……それが腎臓病。
ひとたび低下し始めると悪循環に陥りやすい病気で、進行を止めることもなかなか難しいもの。
なんと言いますか…どうにも抗えません。
その中で看病や介護をどうやって楽しみ、愛する家族と共に残された時間をどのように過ごすかが問われてくるのかも知れません。
参考にさせていただきました
犬と猫の腎臓病|ワンちゃんネコちゃんの病気と食事|プレミアムペットフードのROYAL CANIN<ロイヤルカナン>
ロイヤルカナンのウェブサイトの1ページ。
腎臓病について犬と猫、両サイドから記載されています。
とても参考になりますので、ワンちゃんやネコちゃんのBUN値等々の上昇でお困りの方は、一度ご覧になると良いかも。
犬の腎不全について書かれています。
腎臓病の食事(レシピ)なども紹介されています。
腎臓病に伴う貧血について詳しく書かれています。
さいごに
このブログで書いてあることは、愛犬が腎臓病になった際の記録であり、紹介した薬およびサプリメントは、獣医師さんに奨められた治療方針に従って与えました。
すべての人にこの治療法を奨めている訳ではないことを付け加えるとともに、まずはお近くの動物病院で相談してください。
あくまでも参考にとどめていただき、どのようにするかはそれぞれでご判断いただけましたらと思います。
ついに自宅で点滴。続きの記事がこちら
- タグ:
- 犬 腎臓病